そば打ちの技術は、諸先輩がたくさん立派なページを作っておられますので、リンクでご覧頂きます。 ここでは、多くの失敗から学んだことをいくつかご披露します。
そば打ちの道具
道具に凝るのも楽しみの一つですが、私は道具には無頓着で、今でもホームセンターで求めた5百円足らずのラミン棒(木の丸棒)を3尺5寸に切って巻棒にしています。延し台やまな板はしなベニアです。ただし、おいしいそばつくりに欠かせない大事な道具が二つあります。

一つはそば包丁です。始めた当初買って使わなかった安物が何本もあります。包丁だけは最初から専用の鋼製片刃を揃えることを奨めます。これが無駄を省く近道です。値段の目安は30cmで1万円以上です。大玉を打つようになると長いのが欲しくなるので、最初から33cmを求めるのも良い方法と言えます。牛刀で刺身が切れないように、両刃の包丁ではビシッと角が立ったそばは打てず、丸いスパゲティもどきしか作れません。2〜3万円もする包丁でも両刃があり、特にステンレス製は要注意です。糸刃(両刃でカエリを落とすため反対側から砥石をあてた細い研ぎ跡)の有無をよく見て買うことです。有名店でも安心できません。

二つ目は火力の強いレンジです。家庭用のガス台は、レンジ一口につき一人前しか茹だりません。業務用ガス台は高価なので、私は5kg入りLPガスシリンダーと大型朝顔コンロを使っています。ドライブやキャンプにも使えて便利です。

お奨めできる道具にステンレスボウルがあります。塗りの木鉢に勝るものはありませんが値段が張ります。有名なそば屋でも、デモ用には漆の木鉢を使いますが、裏ではボウルを使っている場合が多いようです。ただし、カッパ橋などでよく見かけるものは深すぎて使い難いと思います。川越蕎麦の会のボウルは浅目でお奨めできます。

繋がらないときどうする
数をこなすに従い、水加減の調整は延す前ならできるようになりますが、予定通り繋がらない玉が出来たときにどうするか。失敗したら揚げそばか蕎麦がきにするのが普通ですが、十割の大玉は困ります。次の玉に少しづつ混入するなど、工夫が要ります。繋がりが悪い粉には、大抵の製粉所が密かに販売するグルテンパウダーの混入も一つの方法ですが、味が落ちたり不自然な食感が残るなど難点があり、あまりお勧めできません。
コストダウン
たかがそばとは言え、使いようでいくらでもお金が要り、家庭の不和にもなりかねません。初心者も「そば打ちはお金がかかるから」という迷信に近い理由で入門の機会を逃がしている場合が多いのではないでしょうか。 そば打ちは、お金のかからぬ遊びです。入門には、庖丁(1万円強)以外はホームセンターにあるベニア板とラミン棒があれば間に合いますので、2万円でお釣りが出ます。趣味の世界は別にして、実用の世界では素人が数十万円の木鉢や麺棒を使っても、打つそばの味は変わりません。
消耗品では、打ち粉にコーンやジャガイモの澱粉が安いという方も居られますが、湯の汚れが早く割高で、そば湯の味も落ちます。うどん兼業のそば屋さんも、そば粉だけを使っているケースもあります。