植物としてのソバ
ソバはタデ科ソバ属の、虫に強い一年生の植物です。蕎麦好きは「蓼食う虫」と言えましょう。 小石混じりの痩せた土地でも栽培できるので、古くからの産地は米・麦・牧畜に適さない地域が多いようです。種を蒔いてから75日程で収穫できるため裏作や二毛作に適し、夏そばと秋そばがあります。
日本へ伝来 
原産地の多数説は中国雲南省辺りとし、中国北部から朝鮮半島または揚子江流域を経て日本に伝播したようです。ヨーロッパにはシルクロード沿いに流れたと考えられます。現在雲南省に近いミャンマー北部で、麻薬掃討運動の一環としてのケシ転作が奨励されています。日本の援助により、空知深川市からキタワセ20kgの種が贈られて栽培が始まったのは奇縁と申せましょう。
食料としてのそば
日本の蕎麦需要は年々伸びていますが、世界レベルでは年々落ちています。米国農務省発表の06〜07年穀物需給見通しによると、全穀物の年間生産量は20億トンです。その中で、そばは年間世界生産量が262万トン(農水省Q&Aで、ウェイトは0.13%に過ぎず、地球規模ではマイナーな食料です。
世界のそば生産
世界のそば消費量が減少している為、そばは国連統計から外れたこともあり、地域別など統計数字の把握は困難です。
年間約百万トンとする説(日麺連「そばの散歩道」)もありますが、ここでは平成13年7月に農水省から出た「消費者の部屋」Q&Aの数字を紹介します。
「世界のそばの生産量は、1998年の統計によると、262万3千トンとなっており、たとえば、同じ年の日本の馬鈴薯の生産量(307万4千トン)よりも小さい規模となっています。これは、世界の中で「そば」を主食にしている国がほとんどないことや、生産性の低いことが要因となっています。」
そばの輸入

農水省統計による輸入先(主要国)は、次のようになっています。

               2005年       2004年       2003年
               トン 百万円      トン 百万円     トン 百万円
輸入先@中国   71,718  2,443   78,730  1,974   80,803 1,713
     Aアメリカ  10,432    626    7,578    420    7,048   388
     Bカナダ                   1,969   112    3,035   160
     C豪州     1,136   111

日本の生産
2005年度の主要生産県生産量は、31,200トンでした。府県別には北海道が全国の50%を占め、以下2千トン台で茨城・長野が、千トン台で、山形・福島・栃木・鹿児島・福井が続いてます。
    2005年度県別生産  10年間全国生産推移
複雑なそばの流通
上述のように、そばの供給の8割は輸入に依存します。また生産は北海道に偏在します。この不均衡と消費者の不勉強が国内のそばの流通を歪めています。
北海道の消費者のほとんどは、食べているそばは北海道産と思っています。関東の人は信州そばを信州産と思っています。戸隠村で使う粉は北海道7割、輸入3割、地粉2%(地元の方の話)とは知りません。日経相場欄の代表銘柄は十勝となっていますが、道産そばの8割以上が空知・上川産です。このため、九州が不作の時などは空知・上川のそばが九州に渡り、九州から宮崎産として兵庫のそば処まで大旅行をするといった異常な現象が見られます。