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そばはナマモノ
そばは生産者から玄そばで出荷されますが、米はそばの丸ヌキに相当する玄米で出荷されます。そばを丸ヌキで出荷されたら、たちまち風味が失われ粘りも無くなります。そばはそれだけ傷みやすいもので、鮮魚と同じナマモノと考えて下さい
手数のかかる製粉前 
国内の大きな産地では、コンバインで刈り取られた玄そばは、調整工場にトラックで運ばれ、ゴミを除き、水分(25%くらい)をはかり、計量の上貯留壜に入れられて水分18%程度に乾燥され、13くらいの低温倉庫で出荷を待ちます。収穫は3週間ほどの短い期間に集中するため、充分な処理能力がないと、そばは乾燥前に発酵して傷んでしまいます。それで、生産に見合った能力の調整工場を作る町や、処理能力を超える作付はしないと決めている町もあります。
製粉の前にも再調整(ゴミ取り・磨き)を行い、丸ヌキの場合はさらに粒揃え、脱皮をします。これらの前処理には、粉碾きよりもはるかに多くの手数がかかります。
粉碾きのいろいろ
ロール碾き: 回転する金属ロールの間で破砕し擂り潰す製粉法で、効率よく碾けますが高熱で粉が焼けて風味が落ちるのが欠点です。
石臼碾き : 大きな製粉所はロールと電動石臼の両方を備えています。石臼碾きは粉焼けが無く、粒度分布が広いので、香りも繋がりも良いが、効率が悪いので粉の価格は高くなります。多くのアマチュアや一部の店舗では、手回しの石臼で頑張っています。
新石臼碾き: ここ数年、電動セラミック臼が輸入されています。高速回転のため効率が良く、比較的に熱も出ませんが、 上下臼の間に空間があって摺り合わないので甘皮に近い部分が碾き難く、一度碾きでは碾きぐるみができません。また、一番臼はガアーッという騒音が出るので、隣家との距離を考えた方が良いでしょう。

自家製粉の方法

 んん手碾き石臼の入手
    先ず自宅や友人・知人の家に休んでいる古い石臼を再生して使うことをお薦めしんんんます。石臼の墓場から拾って来る方法もあります。この際の注意点は、庭石などんんん長い間日光や風雨に曝された石は表面が風化し、厚く削り取らないと石がこぼんんんれて粉に混じり、ジャリジャリして使い物にならないことがあることです。 新しいんんん臼は、大店や有名工房では1組15万円以上になります。使う石材は軟らかいもんんんのが好まれますが、減りやすいのが難点です。幣館売店では、4種の石臼を用んんん意しました。ご要望に応え07年末に電動石臼「小さな大臼」も開発しました。

んんん製粉の手順
     前処理が済んだそばの実から並粉を碾いてみましょう。碾き方の例を次に記し んんんます。これらを参考にして、独自の得意な製粉法を編み出して下さい。そばを作んんんる過程で最も創造的で面白いのが粉碾なのです。

玄そばを碾く
上下の臼の隙間をハガキ1枚程度空けて碾き、100メッシュで篩って花粉をとり、次に15メッシュで殻をとります。 臼の上下間を空けるには、軸と軸受の間にワッシャーを入れ、ワッシャーの上下に葉書などの紙を切って鋏み、間隙の微調整をすると同時に金属の摩擦を避けます。                 篩のメッシュ
次に残りを碾いて50メッシュ(好みで選択)で篩い、2番粉をとります。
更に残りを碾いて50メッシュ(好みで選択)で篩い、3番粉をとります。
こうして通常は花粉〜3番粉を玄そばの重量の70%程度とります。これ以上収率を上げると味が落ちてきます。殻ごとの碾きぐるみもありますが、好み次第とは言えある程度外皮を除かないと味は落ちると思います。
なお、そばの流量を多くすれば、上下臼の隙間を空けたのと似た効果が出ます。
ンンん並粉の次には粗碾に挑戦しましょう。粗いのは、20メッシュくらいからあります。んんん 粗い程香りは良くなりますが、舌にザラついて、食感は悪くなります。この辺はんんん 好みの問題で、試してのお楽しみとしましょう。    
丸ヌキを碾く
玄そばのように碾き分ける場合と、一度で碾く「碾きぐるみ」があります。碾きぐるみの収率は90〜95%が良いようです。 80%くらいにすると、澱粉質の多い甘味が強い粉がとれます。なお、碾き分けの2番臼や3番臼で目詰まりが起きる時は、丸ヌキを少し加えると良いでしょう。
上述の並粉の次に、粗碾きにトライしましょう。
粗碾きというのは、最大粒径の大きい粉を碾くことです。やっと20メッシュを通る粗い粉だけではどんな名人でもそばは打てません。細かい粉が入って初めて繋がります。最大粒径と粒度分布の設定次第で味や食感が変わり、この変化を楽しむのが自家製粉の面白味です。そばの香りは粗いほど豊かですが、つながり難くなります。
粗碾きに必要なのが篩です。特に殻を除いたり、最大粒径を決める目が大きい篩が要ります。
粗く碾くには、実の投入量を多くするか、上臼を浮かして碾きます。
粗碾きの原料にも玄そば・丸ヌキがあり、ミックスする場合もあります。
これから先は、あなたの独創の世界であり、無数のヴァリエーションを楽しんで下さい。
玄そばの脱皮
丸ヌキは脱皮後すぐに製粉しないと鮮度が落ちて良い粉が碾けなくなります。それで、前処理も自分でしたくなりますが、そば用の石抜きや選粒・脱皮の機械は高価で米用の機械の数倍します。製作台数が少ない為、割高なのです。共同購入でもしないと普通のアマチュアの手には負えません。幣館でも安価な脱皮機を開発し たいと考えていますが、目処は立っていません。
当面は少し値段が張っても脱皮即日発送の丸ヌキを作っていただける所を探したいと思っています。
石臼の目立て
石臼の難点の一つは目立てが必要なことです。毎日臼を使う製粉所では、目立てのコストも嵩みます。アマチュアはそれほど長時間回しませんが、目立てを趣味にする器用な方もいます。目立てをする石屋さんが少ない状況を考え、目立て講座のページを設けたいと思います。教え方が上手な有志の方、講師をお願いできませんか。
石臼の扱い方
石臼を手で回すのは楽ではありませんが、それ程身体に無理な力はかかりません。注意が要るのは、掃除をしたり、他の臼と取り替えるときの持ち方です。 前かがみになって上半身で持ち上げると腰を痛め易いのです。ご注意ください。
相撲のシコを踏んだ形になって構え、下半身で持ち上げるようにすれば、安全です。
電動石臼
そば打ちを始めた方なら、誰しも石臼そばを志すでしょうが、高価な石臼と碾く労力がネックになって踏み込めないのが現実と思います。電動石臼が理想ですが、30cm径の小型でも35万円以上が市場価格です。
石臼教の教(狂)祖としては、このネックを解消しないかぎり、布教はおぼつきません。そこで、どなたにも求め易い価格の「小さな大臼」を開発中です。      
粉碾きの課題
そば粉を碾く際の最大の課題は、良い玄そばの確保です。玄そばは、畑と生産者の顔を見て、一年分を買い付けるのが理想です。同じ産地でも、畑の蕎麦と田圃の蕎麦は大差があり、畑によっても異なります。輸入物に劣る国産物もあります。金砂郷や幌加内の農協から購入しても、畑や生産者の顔は見えません。
また、仮に自家栽培をしても、磨き・石抜き・皮むきができなければ、理想から遠くなります。玄そばに関しては、契約栽培しているプロでも一部は当座買いするなど、どこかで妥協しなければなりません。                       アマチュアの場合は、農協系(館の売店を含む)か製粉会社から実を分けてもらうのが普通です。調整・石抜き・皮むきまでやる方は稀です。
石ヌキ設備を持たずに粉を碾く場合は、産地よりも完全に石抜きされた玄そばを選ぶことが肝要です。有名農協から買っても、石だらけの玄そば(時により丸ヌキまでも)があり、ジャリついて食味以前の大問題になります。ご注意下さい。
    
石臼と遊ぼう
この度、手頃な価格の石臼「家康」の開発に成功しました。この機会に、「石臼と遊ぼう」シリーズを始めます。内容は次のようなものを考えています。皆さんの意見や要望を採り入れたいと思います。掲示板やメールでお寄せ下さい。
第 1回 石臼を手に入れよう
第 2回 石臼の据え付け
第 3回 玄そばと丸ヌキ
第 4回 丸ヌキの碾きぐるみ
第 5回 丸ヌキの碾き分け
第 6回 丸ヌキの粗碾き
第 7回 市販の粉の研究T
第 8回 市販の粉の研究U
第 9回 玄そばの碾きぐるみ
第10回 玄そばの碾分け
第11回 玄そばの粗碾き  
  ※ 電動石臼の開発に忙しく、アップが遅れています。もう暫くご猶予下さい。